アイトリガー編集部
信頼できるデジタルマーケティングパートナーとして、クライアントとともに成長していくことを行動指針として活動する、プロフェッショナルなマーケター集団。実戦で得た経験をもとに、リアルな打ち手と課題解決のヒントをお届けします。
こんにちは、アイトリガーの梅原です。
今回は「選択」にまつわるお話しです。
「選択」という誰もが持っている力を効果的に使うにはどのようにすれば良いでしょうか。
本記事では「選択」にまつわる法則である「ジャムの法則」をデジタルマーケティングと結び付けてご紹介します。
目次
ジャムの法則(Jam study)は
「選択肢が増えると逆に選択が難しくなる」という人間の選択肢に対する行動を法則としてまとめたものです。
その法則の特性から「決定回避の法則」とも呼ばれています。
「ジャムの法則」を発表したシーナ・アイエンガー教授は、スーパーマーケットで以下2つのパターンでどちらが購入されるかを実験をしています。
実験の結果、立ち寄った割合が高いのはパターン2の24種類となりましたが
実際に購入される割合はパターン1の6種類の場合が圧倒的に多いという結果になりました。
提供する ジャムの種類 | 買い物客が立ち寄った 割合 | 立ち寄った後 購買に至る割合 | 最終的な 購買割合 |
24種類 | 60% | 3% | 1.8% |
6種類 | 40% | 30% | 12% |
ビジネスを展開する際には、商品やプランなどを豊富なラインナップで用意しがちですが、
実は選択肢は用意しすぎると、かえって「間違った選択をして損をしたくない」という心理が働き、
購入自体を控えてしまうユーザーが多くなってしまいます。
デジタルマーケティングのケースであてはめると、
豊富な商品・プランを見せるケースやユーザーに複数の情報を入力してもらうなど、
様々なケースでユーザーに「選択」を迫る場面があります。
豊富な選択肢がある中でユーザーを購買に導くために、ラインナップの見せ方の工夫をご紹介します。
こちらは優れたECサイトをイメージすると分かりやすいでしょう。
ECサイトでは豊富なラインナップ、つまりはユーザーにとってのたくさんの選択肢こそが売りになるケースがしばしばありますが、同時にどの選択肢を選ばせるかを考慮してサイトが構築されています。
選択のツリーを作る例としては、最初に少ない選択肢しかユーザー入力させない問い合わせフォームがあげられます。
求人業界やBtoBのWEBフォームなどでよく見受けられるかと存じます。
選択肢を段階的に見せることは、問い合わせ完了を増やす有効な打ち手のひとつです。
先ほど紹介したようにユーザーへの選択肢の見せ方を考慮する際、
選択肢の数はどのように考えれば良いでしょうか。
最適な選択肢はビジネスや商品・サービス、またはシーンによっても変わりますが、
検討する際に参考になる「数」にまつわる法則をご紹介します。
マジカルナンバーは、人間が瞬間的に保持できる情報(日常的な短期記憶)の数は
「7±2」であるとするものです。
ジョージ・ミラー教授のこの説に基づくと
選択肢は多くても「7±2」つまり5~9となります。
3つの選択肢のうち、真ん中をなんとなく選んでしまうということは皆さんも経験があるのではないでしょうか。
3段階の選択肢がある際、多くの人は真ん中の選択肢を選んでしまうという心理傾向があり、これを法則としたのが「松竹梅の法則」となります。
※ゴルディロックス効果も同義です。由来は英国の童話「三匹のクマ」だそうです。
極端な選択肢を嫌う日本人には特に当てはまります。
私が昔、シミュレーションを作るのに、プランをいくつ作れば良いか先輩に相談した際、
「3択にして売りたいのを真ん中にしておいて」
と回答をいただきましたが、これは松竹梅の法則に則った打ち手というわけですね。
2つ以上の物事を対比させる際、実際の差よりも大きな差として感じる心理現象を
「コントラスト効果」といいます。
多くの人は物事の良し悪しを相対的に評価します。
1つの選択肢しかない場合、別の選択肢を求めて他社に流れてしまう思考も発生し、機会損失を生んでしまうリスクも高まります。
効果的に商品・プランを見せれば、選択肢自体は用意したほうが購買を促すことができます。
今回ご紹介した「選択」についてのお話しは
「ジャムの法則」を発表したシーナ・アイエンガー教授の書籍「選択の科学」を参考に記事にしました。
書籍では「品揃えを豊富にすると売上は逆に下がる」という内容だけでなく
など、シーク教徒にルーツを持つ教授の体験や調査、実証研究が紹介されています。
何もかもが最初から成功するか失敗するか分かっていれば、
誰も「選択」に迷うこともないのですが、そんなものは最初から分からないので、
人生は幾度となく「選択」に迫られます。
ときに「選択肢」が重くのしかかることもあるかと思いますが、その「選択」こそが私たちに力を与えてくれます。
迷ったときには私が好きなアイトリガーの行動指針を参考にしてみてください。
私たちは、やりがいとわくわくをもって自ら決断し、失敗を恐れずチャレンジします。
皆さんの「選択」がきっと良い結果を生むことを心から願っています。
最後までお付き合いいただきありがとうございました!
記事を書いた人
アイトリガー編集部
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